結論から言えば、一人のMtg基地外が貴重な貴重な1ヶ月という時間とちょっとのチケットをドブに捨てたの一言で足りる。リーグでの最高成績も4連勝からの敗戦で、結局一度も5-0してリストを載せられる可能性をつかむことができなかった。やっぱりクソデッキじゃないか

 まあ、仕方ないっちゃ仕方ない。プレイミスもした。マリガンミスはもっとした。サイドボーディングミスはもっともっとした。引きムラの塊みたいなデッキだし、マッチアップが有利であっても確率で簡単に負けるデッキなのだ。こんなデッキでモダン環境を染め上げようとする方がどうにかしている。

 ただ、光るところはあった。だから目がくらんだのだけど。

 だからこそ、多分今までのTCG歴の中で二番目ぐらいに頭を使った。電卓も叩いた。無駄だったけど
フィードバックを求めて動画も投稿した。
 結局、得られたのは思い出だけだったけれども。
 煽ること、扇動することぐらいは出来たんじゃないかなと、今は思っている。


1.すべての始まり

きっかけは、ブルースティールタッチ白でリーグへもぐりこんだときのことだった。

先手を取り、いつものようにキープする。
そして、ターンが来る前に、相手が動いた。

絡み森の大長を公開」
宝石の洞窟を場に出し、手札の絡み森の大長を追放」


 最初に、「やられた」と思った。
 そして、あまりの無駄のない動きに、感動した。

 先手で土地だけ置いてターンを渡すと、相手は猿人の指導霊を追放して、4マナを使い、反逆の先導者、チャンドラ


 死ぬほど笑った。

 いや、だってさ。一応MOモダンの、コンペティティブリーグだぜ?
 なぜこんな電波が存在するのか。

 マッチ自体は2ゲーム目の先手1t月メイガスに対してデッキに6枚の島を初手で持ってたから勝ったのだけど、発想は凄いと思った。知られていた組み合わせなのかもしれないが、私は知らなかった。感動するのにはそれで十分だ。既存作品の劣化だろうと、面白いものは面白いのだ。

 とにかく私は、相手の「1ターン目神チャンドラデッキ」の調整を始めることにした。相手にデッキリストすら聞くことなく。



2 たたき台の作り方。


 まず、最初に考えたこと。

 このデッキは、初速ゼンツッパのアグロデッキだ。

 それ以外の構築では、初手以外いつ引いてもゴミになる絡み森の大長を肯定できない。

 というわけで最初に作ったデッキの概略はこれだ。

 山 いっぱい
 宝石の洞窟 4
 マナ加速 いっぱい
 妨害 8(初手1枚見当)
 血清の粉末 4
 脅威 いっぱい

 ……これで何が分かるのか? と思うかもしれないけどちょっとだけ待ってほしい。
 まず、マナ加速。これを確定させるのが先だ。
 とはいっても、環境で使えるカードは限られている。
 レガシーでは湯水のように使えるペタル相当物ですらモダンでは貴重品だ。
 最強の猿人の指導霊以外のマナ加速はどこか弱点がある。
 リチュアル2種はスペルだから消されるし、1ターン目に唱えられない。
 炎の儀式? あれはBANだ。

 そう、1ターン目に安定して3マナを出そうとすれば、緑大長以外あり得ないのだ。これで先手でも初手にある1ターン目にマナを沸かすことの出来るカードの枚数の期待値が1になった。

デッキ概略 2

山 いっぱい
宝石の洞窟 4
マナ加速
(1→2) 8
(2→3) 8
妨害 8
脅威 いっぱい
粉末 4

 ここで期待値が1、ということに引っかかる人もいると思う。
 7×8/60は1じゃねーだろさてはおめー情弱だな、と。
 それは違う。別にデッキに通りの悪霊やら魔力変やらを加えた結果サイズを下げたわけではない。そもそもトップから大長引いても弱いし

 ここでデッキのサイズを下げているのは、血清の粉末だ。
 このカード、ただフリーマリガンを与えるだけではない。
 初手にあるときに脳死でマリガンすれば、7枚の手札には粉末以外の7枚を持てることになるため、実質デッキサイズを下げてくれるのだ。(テキストを読み上げただけ)もし粉末があるけどいいハンドだったら? キープすればいい。 なお魔力変、通りの悪霊は血清の粉末との相性が致命的に悪かったので最後には星になった


とにかく、骨組みはだいたい完成した。あとは適当にカードで埋めるだけだ。
というのも、デッキに入っているマナ加速の回数を考えるだけで、何が採用可能で何が採用不可能なのかがわりとはっきりするのだ。
適当に期待値で計算しよう。
先手の場合、初手に土地+マナ加速2枚、後手の場合は土地+マナ加速(洞窟含む)2.5枚があることになる。
 つまり、1ターン目に3マナのカードをキャストすることは普通に狙えるのだ。

 この時点で5マナのカードが否定される。
 それが1ターン目に出るのはただのドブンだ。

 次に4マナのカードの評価が下がる。
 1ターン目に唱えられたところで、期待値近辺では2ターン目には2マナしか出ない。(神チャンドラは+でマナが出るので例外)

 デッキに無理をさせず一番強い動きは3+3ということがマナ加速の枚数から勝手に導き出される。ということは土地の枚数は3ターン目に土地の期待値が3=19~20枚で組むのがいいことになる。残りの枠は、妨害8枚を含めて21枚だ。

 さて、3マナのカードを探してみよう。1ターン目に出して強いカードを。

 まず、ゴブリンの熟練扇動者だ。
 次に、血染めの月だ。クロックになる方がデッキとしての相性が良さそうなのでここでは月メイガス
 こいつらは4枚ずつだ。残り13枚

 神チャンドラは1ターン目に4マナが出たときの受けとして強く(後続を呼べる)、別軸の勝ち手段にもなるので4枚。残り9枚

 一応槌のコスでも入れておこう。重いから2枚。残り7枚

 このデッキの妨害は、マナを払わずに行える方が望ましい。
 マナを払っていると、クロックに割けるマナが足りなくなり、デッキが機能不全になるからだ。さらにいえば、後手番のときのことを考え、1ターン目の相手のハンデスを弾けるカードが望ましい。
つまり、必要なのは精神的つまずき。貫禄のモダン禁止カードだ。

 まあ、禁止されているものは仕方がない。リーガルカードから似たカードを探そう。あるわけない? あるんだなそれが。別館の大長4枚


 正直に言えば、これは私のセンスの問題だ。
 今でもメインボードに入れる妨害としてはこいつが一番強いと思っている。
 ただ、75枚の中に入れるには弱すぎた。サイドの枠が足りなくなるし、妨害と妨害を毎ゲーム入れ替えるぐらいならメインからも抜いた方がいい。

 さて、残った3枚。私もここまではあっという間にできた。多分20分ぐらいで出来た。
 しかし、残りの枠に満足のいくカードが入らない。魔力変も通りの悪霊も微妙。大長を引くカードはさすがに弱すぎる。
 仕方ないと、ツイッター上で3~4マナで1枚でゲームを決めるフィニッシャーを募集することにした。そして、この紙束をデッキに変えるカードをある人が教えてくれた。

「ラネリーはどうですか?」

 私は1枚で勝てるカードを募集していたのだ。
 一度3~4マナに到達したら、なかなかそこまでマナが伸びなかったから。
 そう。何度もマナを伸ばせれば、1枚で勝つ必要などないのだ。しかも、ラネリーは3マナだ。
 試してみると、ラネリーは完璧に噛み合った。速攻のクロックであり、マナ加速にもなる。

 こうして、紙束はデッキになった。
 サイドボードはありあわせのカードを使って組んだ。あとは実戦を繰り返して完璧なデッキを作るだけだと、そう信じていた。


デッキ ルナティック・チャンセラー

山 15
宝石の洞窟 4
絡み森の大長 4
猿人の指導霊 4
発熱の儀式 4
捨て身の儀式 4
血清の粉末 4
月の大魔術師 4
別館の大長 4
ゴブリンの熟練扇動者 4
風雲船長 ラネリー 3
反逆の先導者、チャンドラ 4
槌のコス 2
 
 
 
 

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